カジノディーラーってどんな職業?
日本にIR(=カジノ)が導入されれば、カジノディーラーという新たな職業が誕生します。
IRの中心となる「カジノ」という華やかな舞台で活躍する花形職業は、特殊技能と専門知識を要する日本の長い歴史においてもかつてない職業です。
それ故に、カジノディーラーがどのような仕事なのか分からない人も多いことでしょう。
まず、カジノディーラーと聞いてイメージするのは、「手先が器用で計算が得意」だとか「対戦相手となるプレイヤーの敵」といったゲームを楽しませるエンターティナーのように思われがちです。
しかし、実際にカジノディーラーに求められる根幹の性質は、「銀行員」と同じようなセキュリティ・マインドと誠実な性格となります。カジノディーラーは、ゲストの現金とハウスのチップ(歴とした有価証券)を毎日素手で扱う仕事を任せられます。つまり、カジノフロアにおいて、一番不正をしやすいポジションにいるのがカジノディーラーなのです。
従って、カジノディーラーは、不正をしないための技能教育を徹底的に叩き込まれます。キャッシュやチップの扱い方、カードや備品の扱い方、ゲームのオペレーションなど全ての手順において、銀行員と同じような厳しいセキュリティの教育を受けます。カジノディーラーは、これらのハウスルールを理解し、遵守することが義務とされています。
また同時に、カジノディーラーはプレイヤーのイカサマ(不正行為)と違反行為を防がなければなりません。それが、セキュリティ・ディーリングであり、コンプライアンスであり、そしてレスポンシブルゲーミングなのです。このレスポンシブルゲーミングについては、また改めて解説いたします。
カジノディーラーの3つの要素
カジノディーラーに求められるものは、セキュリティの教育であることをお分かり頂きました。それらのトレーニングを修了し、信頼を勝ち得た人だけがカジノフロアでチップを扱って業務を行うことを許されます。
しかし、それだけではゲストを満足させることはできません。そこで、カジノディーラーに必要なもう一つの要素が「カスタマーサービス」です。実は、ディーラーの良し悪しはここで評価されるのです。
カジノディーラーは、大金を取り扱う銀行員の要素は大前提として、ゲストに直接サービスを提供する接客の要素も大部分を占めます。カジノディーラーは、ゲーミング(ギャンブル)というサービスをゲストに提供しているのです。
もちろん、提供されるゲーミングは公正でかつ安全でなければなりません。それを担保しつつ、ゲストを楽しませることも大切なサービスです。特に、ゲーミングをサービスとするカジノは、ゲストの不満やクレームは他業種の幾倍も多いです。これらを軽減するのがカジノディーラーのサービス・マインドの技量となります。
実際に海外のカジノでは、
「一流のカジノディーラーとは、計算が早いことでもカード捌きが上手いことでもない。負けたお客様が“ありがとう”と言ってくれたら、そこであなたは一流のカジノディーラーだよ。」と教えられます。
★一流のカジノディーラーとは、負けたお客様にも“ありがとう”といってもらえるカジノディーラー
普通は、ゲームに負けたゲストは「Fuck you!」とテーブルを叩いてディーラーに当たって帰っていくものです。しかし、お金を失っても笑顔で「ありがとう」と言わせるのは、それだけあなたのサービスに価値があったということ。「たくさん負けたけど、君と遊べて楽しかったよ!」というサービスに対する価値がゲストを納得させたといえます。これは、なかなかできることではありません。
では、カジノディーラーにとって、何が大切なサービス・マインドなのでしょか?
簡単に言えば、ゲストがゲームで勝った時は一緒に喜んであげて、負けた時は一緒に残念がってあげることが、一番取り組みやすいサービス・マインドの表現方法です。もちろん、最初に笑顔で挨拶することも大切なファーストコンタクトですね。
そして、このサービス・マインドを実行して充実させるために欠かせないのが、語学力となります。日本のIR型カジノでは、大半のゲストが多方面からの外国人観光客となります。中国語や韓国語、英語での接客機会が増えることは言うまでもないでしょう。
つまり、カジノディーラーという職業は、「銀行員の性質、ホテルマンのサービス・マインド、そしてCAの語学力」を求められる、かつてない唯一特殊な職業となることは間違ないでしょう。
世界からのお客様を迎える世界トップクラスの日本人カジノディーラーの誕生に期待します。
世界基準のカジノディーラー育成
ここまで、カジノディーラーが特殊な仕事であることはご理解いただけたと思います。数年後には、日本にも多くのカジノディーラーが誕生します。大都市を含む3都市でカジノが開業すれば、少なくとも5,000人以上のカジノディーラーが必要となります。
例えば、シンガポールのマリーナベイサンズでは、甲子園球場ほどの大きさのカジノに約3,000人のゲーミングスタッフが働いており、その内の約2,000人がカジノディーラーです。(*因みに、マリーナベイサンズ企業全体の従業員は10,000人。)
当然、カジノ企業は、開業前にカジノディーラー候補生を大量に雇い込み、24時間体制でトレーニングを行ってカジノディーラーを育成します。
しかしながら、一つのカジノのディーラー募集枠2,000人であるのに対して、もし日本全国から年齢に上限なく1万人の応募者が集まれば、その時点で5倍の就職率が発生します。
この就職競争に勝つために、いち早く世界基準のカジノディーリング・スキルを身につけ、さらには国際的なゲーミングキャリアを積むことで、「勝てる履歴書」作りを今から備えたい人のためのサポートに役立ちたいと考えます。
紛れもなく、カジノを支えるのはカジノディーラーであり、そのカジノの看板となってイメージを左右するのもカジノディーラーの印象となります。
最後にお伝えしたいのは、カジノが求める人材は、手先の器用さや計算の得意な人ではなく、不正を働かない誠実な人材であるということをよく知っておいてください。
当校IGSでは、世界に誇れる日本人カジノディーラーを誠実に育てて参ります。
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