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2021.04.05

IR(統合型リゾート)とは..

IR(統合型リゾート)とは..

 IRとは、「Integrated Resort」の略称で、日本語で「統合型リゾート」と呼びます。その意味は「カジノを有する複合型リゾート」ということで、どんなに大きなリゾートでもそこにカジノがなければIRとは呼ばないということです。この概念は、2005年のシンガポールでのカジノ合法化を機に誕生し、その後、2010年の2つのIR開業とともに世界に広まりました。ちょうどこの頃から日本でも、カジノ導入ではなくIR導入へと議論が移り変わりました。

そして、この年に開業したマリーナベイサンズとリゾートワールドセントーサの成功を受けて、IRは世界の新しいリゾートの形として人々を魅了していきました。近年では、アジア各地でカジノの建設ラッシュが続きましたが、そのほとんどがIRとなっています。


日本の近隣諸国のIR | カジノスクール(学校) IGS インターナショナル・ゲーミング・スクール 大阪

*マカオやシンガポールだけでなく、日本の近隣諸国でも近年IRの建設ラッシュが続きました。今やIRは国際マーケットをターゲットしたプロモーションが求められています。



IRの定義は「カジノを有する」ことであって、カジノのない巨大リゾートはIRと呼ばないということが分かりました。ではなぜ、日本にIRが必要なのでしょうか?

「カジノ」というギャンブル要素が主体となるがゆえに、社会的コストを懸念する地元住民による反対運動も各地で巻き起こっています。しかし、カジノはこれまでの日本の賭博とは運営手法や管理・規制の枠組みが大きく違うという点を見過ごしてはいけません。

IRにおいては、カジノエリアを「ゲーミング」、それ以外を「ノンゲーミング」と呼び、一般的にゲーミングフロアは施設全体の5%にも満たないため、残りの95%はホテルやMICE、エンタメなどのノンゲーミング施設が充実しているというのが特IRの特徴です。
(シンガポールのマリーナベイサンズのゲーミング面積はわずかに約3.5%です。)

すなわち、この5%に満たないカジノ部門が、IR全体の収益の約8割を叩き出す強力なエンジンとなって、IR全体のサービス充実を維持しているという構造です。このように、カジノの収益をホテルやMICE、エンタメ施設などに還元しながら一体的に運営する仕組みがIRだと理解してください。

そして、もう一つのIRの魅力は、ファミリーツアーやビジネストリップ、長期滞在といった幅広い顧客層をターゲットにできるということです。様々なニーズや利用目的に応え、特別な体験を楽しませてくれるIRは進化し続けています。


カジノ収益を軸としたIRの一体運営 | カジノスクール(学校) IGS インターナショナル・ゲーミング・スクール 大阪

*カジノの収益をノンゲーミング事業に還元することでサービスの充実維持を実現する相乗効果を生むのがIRの仕組みです。
*MICEとは、会議・展示会・イベントなどの用途に応じてコンバーチブルに利用できる複合型多目的ホールのことで、Meeting(会議)、Incentive tour(招待旅行)、Conference(学会)、Exhibition(展示会)の略称(アクロニム)です。



海外のIR事例

 シンガポールでは、2010年に2つのIRがオープンしました。マリーナベイサンズは、都心に位置しMICEを充実させたビジネスユースのIRとして、一方のリゾートワールドセントーサは、レジャーアクティビティーとエンターテインメントを充実させたファミリー向けのIRとして成功しました。つまり、IRは観光目的やロケーション環境に合わせたコンセプトで開発することが成功の鍵と考えられます。

 そして、IRの特徴は、長期滞在型リゾートともいわれ、カジノや様々な娯楽レジャーがあることで平均滞在期間が延びると期待されています。そうすることで、ホテルの稼働率は上がり、雇用を潤沢に維持することができるのです。

 さらに、IRの魅力は投資機会の創造でもあります。世界で実績のあるIR事業には、世界中の投資家が注目しています。数社の海外大手IR企業が日本のIR開発に1兆円の投資を準備していることはよく知られていますが、これらは世界の投資家によるものです。投資機会の少ない日本において、新たなビジネスチャンスが生まれます。

 収益効果の側面からみてもIRの中核となるカジノが生み出す収益率は魅力的です。シンガポールでは、IR全体売上の8割近くをカジノ部門が生み出しています。因みに、マカオでは9割となりますが、ここは特別な仕組みがあります。IRは、このカジノの収益をIR施設全体に還元することで一体的運営を行い、施設全体のサービス充実を維持できます。

ここでいう施設全体とは、ホテル、MICE、ショッピング・レストランやエンターテイメントなどの商業施設、その他シアターやアクティビティー、観光案内施設に至るIRに付随するあらゆる施設をいいます。これらがカジノの規制に従属しないノンゲーミング施設に当たります。

しかしながら、それはカジノで多く負ける人がいることの裏返しであって、ギャンブル依存の温床となることの社会的責任から目を背けることはできません。


世界各国のIR収益構造(2017年) 世界各国のIR収益構造(2017年) | カジノスクール(学校) IGS インターナショナル・ゲーミング・スクール 大阪

*アジアではゲーミング(カジノ)収益の割合が高いのに対して、欧米ではノンゲーミングとのバランスが均等となっている。



日本型IRの有効性

日本でも長年に渡ってIR導入について議論されてきましたが、2016年12月にIR推進法というプログラム法が成立し、2018年7月にIR整備の具体的な制度・枠組みを示すIR実施法が成立しました。この法律の中で、IRの設置数やカジノの上限面積、日本人のカジノ入場料や回数制限などの様々な規制が設けられました。また、日本人の本人確認にマイナンバーカードを活用することも盛り込まれています。

気になる今後のIR整備のスケジュール感は、昨年(2020年)末に確定した「IR基本方針」に基づいて、IR誘致を目指す都道府県や政令都市などの自治体が現在独自の実施方針の策定にかかっています。これから実施方針に基づいて開発パートナーとなるIR事業者の選定に入っていき、今年(2021年)の秋頃までに最終的な事業者を決定し、10月から始まる国の区域選定公募へと申請していきます。そして、来年4月から順次IRの設置区域が認定されると見られるので、順当にいけば2025年~2026年頃に日本第一号のIRが誕生すると見込まれます。

なお、大阪に関しては、2025年の万博を控えているため、開業時期は最後発の2028年後半~2029年頃になるとみられています。


IR実施法に盛り込まれた規制要件 IR実施法に盛り込まれた規制要件 | カジノスクール(学校) IGS インターナショナル・ゲーミング・スクール 大阪

*日本では法律でカジノフロアの上限面積が3%以下と定められています。
*マイナンバーカードで入場時の本人確認と年齢確認を行い不適格者を排除します。


現在、IR誘致を正式に表明している自治体は、大阪市、横浜市、和歌山市、長崎・佐世保市の4つとなっていて、このまま行けばこの中から3都市が選ばれることになりそうです。今年オリンピックを迎える東京都や地元経済界が先導する福岡市の今後の動きも注目されます。



日本のIR候補地とIR事業者の相関図 | カジノスクール(学校) IGS インターナショナル・ゲーミング・スクール 大阪

*大阪は現在1社のみのため無投票当選の状態となります。本来は複数の事業者によるコンペ(競争)を行うことで事業計画や投資効果の精度向上を期待できるのですが、事業者側に交渉のイニシアティブが移ることが懸念されます。



元々大阪には7社の事業者が集中していた時期もありましたが、なぜ次々と撤退していったのかなどの理由についても当校授業の中で解説しております。

また、どうして海外のIR企業は日本のIR開発に1兆円もの投資をしたがるのか?
日本のIRがもたらす経済効果や雇用創出効果、カジノが生み出す税収効果とその使途、さらに懸念されるギャンブル依存対策などについても詳しく当校の授業の中で解説いたします。

IGSでは、こうしたIRの有効性とカジノの本質についても実例を参考に広く学んでいただきます。IRを導入することで起こり得るメリットとデメリットのほかに、経済効果やギャンブル依存症対策など、国や事業者の取り組みについても探求していきます。